猫のフィラリアは完治する？治療と予後について解説

猫がフィラリア症にかかった場合、「治るのか？」という疑問を抱く飼い主さんも多いでしょう。フィラリア症は犬に比べて猫では発症率が低いものの、感染すると深刻な症状を引き起こす可能性があります。ここでは、猫のフィラリアが完治するのかどうか、治療方法や予後について詳しく解説します。

結論から言うと、猫のフィラリア症は「完治」というよりも、症状をコントロールしながら回復を目指す病気です。猫の場合、体内に侵入したフィラリア虫が少数であっても健康に大きな影響を与えることがありますが、猫はフィラリアの「終宿主（しゅうしゅくしゅ）」ではないため、多くの場合は成虫になれず体内で死滅します。

ただし、フィラリアが死滅しても、死骸が肺や血管内に留まることで炎症を引き起こし、呼吸器や循環器にダメージを与える可能性があります。そのため、症状の進行を抑える治療が必要となります。

猫にはフィラリア症を直接治療する薬がないため、対症療法が中心となります。以下は主な治療方法です：

　呼吸困難や咳などの症状を緩和するため、ステロイド剤を使用して炎症を抑えます。

　重度の呼吸困難が見られる場合、酸素吸入療法が行われることがあります。

　フィラリアの死骸が血管内に詰まることで二次的な炎症や血栓が発生する場合があります。このような症状を予防・治療するためのサポートが行われます。

　フィラリアが自然死するまでの期間、定期的に動物病院で診察を受け、症状が悪化しないよう注意深く観察します。

猫がフィラリアに感染した場合、早期に適切な治療を行えば多くの猫は症状が安定し、通常の生活を送れるようになります。しかし、感染が重度の場合や、突然死を引き起こすリスクがあるため、油断は禁物です。

フィラリアの死骸が血管や肺に炎症を引き起こす期間は数か月から1年以上続くことがあるため、長期的なケアが必要です。治療中は、猫の健康状態を細かくチェックし、異変があればすぐに獣医師に相談しましょう。

猫のフィラリア症は、予防薬を使用することでほぼ完全に防ぐことができます。以下のポイントを押さえて予防を徹底しましょう：

　動物病院で処方されるフィラリア予防薬を、蚊が活発になる季節に合わせて月1回投与します。

　室内飼いの猫であっても蚊に刺されるリスクはゼロではありません。窓や玄関に網戸を設置し、蚊の侵入を防ぎましょう。

猫のフィラリア症は、完治というよりも長期的な症状管理が重要な病気です。早期発見と適切な治療を行うことで、猫が元気を取り戻す可能性は十分にあります。しかし、治療には時間がかかるため、日頃から予防を徹底し、愛猫をフィラリア感染から守ることが何よりも大切です。正しい知識を持って、愛猫との健やかな生活を守りましょう。

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